学級委員様!
第1章 うっかり委員様。
「あ…あの……」


拍手の音で声が届かない。


待って。待って待って待ってくれ。


「ちょっと待ってください!」


拍手で掻き消されていた私の声が届き、ピタッと場の雰囲気が変わった。


「な、何で私なんですか……?」


「推薦です」


前期の学級委員が声を揃えて私に言った。


す、推薦って……


誰が……?


「俺だ」


声を辿り後ろを向いた。


そんなまさか……


「俺が推薦したんだが、何か悪いことでも?」


少し茶色く染まった髪。


シルバーの柄の眼鏡を指先で整える仕草は、勿論他でもない。



「俺に指名されて迷惑か?」


口元をあからさまに上げ、私の反応を楽しむ。


「浅倉孝さんの推薦です」


そう。浅倉孝。


私の大嫌いな幼馴染みであった。
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