恋するシンデレラ









『私が魔法をかけてあげましょう。

ビビデバビデブー!』


愛・・・じゃなかった。魔法使いが杖を振ると、一度暗転になり。


私は舞台の袖にはけ、


ライトを舞台の壁に当てて、シンデレラの形に切り取った厚紙でシルエットを作るという仕組み。




『わぁ、とても素敵!

どうもありがとう!』


『いえいえ。

馬車と馬も用意してあげましょう。



それっ!』



さっきのシルエットに馬車と馬が増える。




『こうして、ようやくシンデレラはお城へと向かい始めました。』ーーーーーー・・・




「暗転!」

パンッと手を叩く音が響く。

その言葉で、ライトは消えて、会議室は真っ暗になった。



朝から真っ暗に出来るのは黒いカーテンで閉めきっているから。

もしクーラーがなかったらここは地獄だ。






電気が付いて一気に明るくなり、私達は真ん中に集まった。



「今の所までで、何かあったか?」


一幕ごとに区切って通し、意見を出して直すという最終調整を行っている。

時間もタイマー係を交代しながら計る。



「よし、じゃあもう一回通してみよう。」




悔いが残らないように。

私達の最高の劇が出来るように。



皆の願いは一つなんだ。







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