恋するシンデレラ






「・・・お待ち下さい。

せめて、名前だけでも・・・・・・」


「・・・ごめんなさい。

もう、行かなくては。」



向かい側に座った私が台詞を呟くように言った優斗に続くと、


驚いてこっちを見て優しく、嬉しそうに笑った。







・・・あー、もう。

貴方はどれだけ私の心を掴めば気がすむのですか?

諦めなくちゃいけないのに。


これ以上好きになっちゃいけないのに。



どんどん好きが溢れて止まらない。


止められないの。




貴方はそんな事なんか知らずに、私に笑いかけるんだね。





ダメだよ、優斗。



そういう顔は好きな子にだけしなくっちゃ。





その子と付き合ったらどうするの?

嫉妬されちゃうよ?



だって、その優しい顔も。

無邪気な笑顔も。

真剣な、かっこいい顔も。





他の人にしてると思うだけで、私の心臓は押し潰されそうなんだから。




片思いでこんなになるんだから、彼女になったらもっと辛くなっちゃうでしょ?


だから、優斗。



お願い。

私にそんな顔見せないで。





もっと、好きになってしまうから。





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