恋するシンデレラ
「おう。」
「あ、おう。」
私に気づいて片手を挙げた優斗に、同じように答えてみせる。
く~っ。
我ながら情けない。
可愛げなさすぎる。
そんな私の葛藤には気づかず、台本に何か書き込んでステージから軽々と飛び降りた。
うぅ。
・・・くそー。
なにやってもカッコいいやつ!
軽い足どりで私に近づいてくる優斗に、私の心臓はバクバクと鳴りっぱなし。
「どうしたんだよ?」
「あー、達哉君から、優斗がここで練習してるって聞いて・・・。」
『達哉君』という言葉に一瞬顔を曇らせた優斗は、
綺麗に椅子が並べられた会場を見渡しながら、床に座った。
「あいつ、おしゃべりだからなぁー。」
「そうなの?」
「おう。信用したらダメだぞ?」
少し嬉しそうに冗談を言った優斗は、いたずらっ子な顔で私を見つめる。
『ダメだぞ?』って・・・、
その顔反則だから!
そんな姿見たら、皆好きになっちゃうよ。
・・・あ、もうなってるか。
なんて、台本を読み返す優斗を見ながら考えてしまった。
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