恋するシンデレラ







「・・・あ、違う違う。

その前に私の台詞あるから。」


「あっ、やっちった。

痛恨のミスだなぁー。」


台本にペンで強く印をつけながら頭をかく優斗。

そんな優斗を見て、私はつい笑ってしまう。


「お前、笑ってんなよ。」

「ぷっ、あはははは!」


「優斗っ。」





そんな私たちを遮るかのように、甘い可愛らしい声が体育館に響いた。


「あれ?

結衣。どうしたんだよ。」

「てへへー。友達に招待券もらっちゃった。」



小走りで駆け寄るその姿は、どこから見ても『女の子』。





「まだ開場前だぞ?」

「うん、ごめん。

無理言って入れてもらっちゃった・・・・・・あ。」





優しく笑っていたその人は、私を見て笑顔が消える。




「奈々美ちゃん?

うわー、綺麗!」







驚いて、私は声も出なかった。



.
< 188 / 304 >

この作品をシェア

pagetop