恋するシンデレラ
「・・・あ、違う違う。
その前に私の台詞あるから。」
「あっ、やっちった。
痛恨のミスだなぁー。」
台本にペンで強く印をつけながら頭をかく優斗。
そんな優斗を見て、私はつい笑ってしまう。
「お前、笑ってんなよ。」
「ぷっ、あはははは!」
「優斗っ。」
そんな私たちを遮るかのように、甘い可愛らしい声が体育館に響いた。
「あれ?
結衣。どうしたんだよ。」
「てへへー。友達に招待券もらっちゃった。」
小走りで駆け寄るその姿は、どこから見ても『女の子』。
「まだ開場前だぞ?」
「うん、ごめん。
無理言って入れてもらっちゃった・・・・・・あ。」
優しく笑っていたその人は、私を見て笑顔が消える。
「奈々美ちゃん?
うわー、綺麗!」
驚いて、私は声も出なかった。
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