この想いを君に…
しばらく買い物に付き合わされて、やがて夕方、夜へと時が経つ。

「最後に、夜景、見に行こか!」

奏のテンションが上がる。

むっちゃんも大喜びだった。



車の後部席から二人を見ていると昨日、出会ったばかりの二人とは思えんくらい、仲が良くて。

むっちゃんにはお姉ちゃんがいない。

奏には妹がいない。

お互い、無いものを補っているようにも思える。

二人はFMから流れてくる流行りの音楽を一緒に歌っては笑って。

他愛のない話をしては笑って。



やがて。

その声をBGMに俺は睡魔に襲われて。

つかの間の眠りに就いた。
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