そして海の思い出を胸に

「真佐志。美雪、足がつったらしいんだ。俺は大丈夫だから、美雪を乗せてやってくれ……頼む」

「OK……ほら、美雪」

そう言って出したお兄ちゃんの手を、私は素直に握った。



少し大きめのモーターボートだったのと、まだ足の痛みがあった為に、中々うまく上がれない。

時間が掛かって、なんとか無事に乗る事が出来た。



「はぁー」



僚二は私が乗ったのを見届けてから安堵のため息を漏らし、ホッ、とした笑顔をする。

< 151 / 247 >

この作品をシェア

pagetop