そして海の思い出を胸に
と、その時。
岸の方で隆志さんと弥生ちゃんが、何かを叫んでる姿に気付いた。
えっ? 何? なんて言ってるの?
2人共、慌てた様子。
「早く乗れっ! 大きな波が来るぞっ!」
モーターボートを運転してた方が言った。
えっ? 波?
その声が聞こえた時には、もう遅かった。
「僚二っ! 乗れっ! でないと……」
お兄ちゃんがそう言った時にはもう波が来ていて、数秒後には私達は波に飲み込まれていた。