そして海の思い出を胸に
私は突然、時間が気になってプールから上がった。
バスタオルの側に置いていた腕時計を見て……。
うわっ、ヤバッ、もう16時になってるよっ。
演劇部の練習、始まってるじゃないの。
私はそれから急いでプールの入口の門に鍵を掛けて、急いで更衣室に入って着替え始めた。
「ったく、もう」
1人で呟く。
だって、今日に限って、誰も迎えに来てくれないなんて……いつもは真実が迎えに来てくれるのに。
着替えが終わって時計を見ると、16時15分。