そして海の思い出を胸に

「どうして俺を避ける?」


ドキン



「……別に……ただ、馴れ馴れしい人って嫌いなだけです」

「違うな。そう言う理由だったら、最初から避ける筈だろ?」



……。



「俺がドリブルシュートをした時からおかしくなった。それまでは、あくまでも好意を持って接してくれてたよな」



見透かされてるような気がして、ドキッ、とする。

僚二と姿がダブった時の事を思い出した。



でも、すぐ我に返った。



「自惚れないでよっ! 質問に答えたんだから、早く鍵を返してっ!」

私、怒っているのよ。もうとっくに部活の時間過ぎてるんだから。



なのに。



顔は見れないんだけど、涼さんが笑っているのが分かった。

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