そして海の思い出を胸に
とにかく、部活。
そう思って海の方へ背を向けると、視界に隆志先輩が入ってくる。
あっ、もしかして、待っててくれたのかな?
小走りで行くと、隆志先輩は少し怒っていた。
「何してたんだ? 部活、始まるぞ」
「ごめんなさい。泳いでたら時間忘れちゃって……あの、先輩。今日の部活、16時からじゃなかったんですか?」
「ああ、俺がちょっと用事出来たんで、16時30分からする、って淳に言ってたんだけどなぁ。聞いてない?」
若本先輩から?
「全然」