そして海の思い出を胸に
「少しは俺の気持ち、分かっただろ? でも、サンキュ〜! 今度からもそう呼んで♪ ……と言う事で、またな、美雪!」
そう言って涼……さんは、また後ろ姿のまま手を振って、今度こそ行ってしまった。
「ハァ」
思わずため息が1つ零れた。
なんだか、向こうの思う壺にはまってるような気がするのは、気のせい?
えーい、もういいよっ!
そうよ、あんな軽い人、呼び捨てでも構わないじゃないっ!
全然、目上っぽくないし。
でも。
でもね。
時々、優しく包み込むような笑顔をしてくれるけど。
……考えるのは、止めよう。
また、分からなくなるだけ。