未熟な僕ら


「いやっ、あのー、ごm

「あ゙ぁ゙あ゙?」

喜んでっ!」


……うわぁ…

だって無理だよ。
こんな雰囲気で断るなんて、

しかもこの人凄んだよ!?これ本当に告白?
普通好きな人にやる?!
これ脅しの間違いじゃない?



「……そうか、……」



フルフルフルフル

違う違う!
勘違いしないでっ!


頭の中じゃ思いっきり首を横に振って訂正していたけど、

何故か後ろの人たちが泣きながら拍手して喜んでいたのでそんな事出来る状況じゃなかった。

そんな拍手喝采の中、私は黒乃様に抱き締められた。

あははははは……泣きたい。












その時自分のことで精一杯だった私は気がつかなかった。
黒乃がその時、何時もと少し違った事に。

髪の毛は何時もの金髪ではなく、黒に染め直されていて、体中に何個付けているか分からなかったピアスも両耳に一個ずつになっていた。


それが広海を恐がらせないようにするための配慮だったことも。

今、広海を抱き締めている黒乃は優しい笑を浮かべているが、普段は滅多なことがない限り笑わないということにも。




その時は、全部気付かなかった。


まぁ当たり前だけどね?








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