『短編』思惑〜オモワク〜
京香は微笑んで言った。
「何?わたしが眠っている結衣ちゃんの手首を切ったとでも?」
「……少なからず結衣ちゃんは死ぬつもりはなかったわ。結衣ちゃんとわたし、同じ気持ちで聡のことを……」
「甘いのよ!」
京香が声を荒げる。
「わたしは敦子みたいに美人でも頭がいい訳でもない。
結衣ちゃんみたいに可愛いらしくも色気もないわ。
そんなわたしが聡さんを自分のものにするには……」
京香は敦子の目を見て言った。
「邪魔者には、消えて貰うしかないのよ……」
「……酷いわ」
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