君がいた…
<解放>
「亜紀は…助からなかった…」

そこで

俊樹は 一旦話を止めた。

舞達4人は

想像していた以上の話に

誰も声を出せずにいた。

「跳ねた車の運転手は…」

俊樹が また話し始める。

「突っ込んでくる前に 心臓発作を起こしてて…
亜紀を跳ねた時には もう…」

俊樹の声が だんだん震えてきた

「怒りの行き所をなくした 亜紀の母親は…
全部 …宏史のせいにしたんだ…」

『あんたが…あんたが死ねばよかったんだ!』

「半狂乱になって…
宏史の胸を叩きながら叫ぶおばさん…
なんにも言わず…
それを受け止める宏史…」

とうとう

舞が泣き出した…

「亜紀の父親と兄さんが引き離すまで…
ずっと…」

俊樹も

こらえきれなくなったのか…

少し 涙がこぼれた…
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