君がいた…
その涙を拭っても

次々と涙が溢れ出る。

話しを続ける事ができなくなった俊樹…

その時―

静かにドアが開いた。

ずっと 部屋の外で話しを聞いていた

俊樹の母親だった…

俊樹の隣に座り ハンドタオルを手渡すと

4人に顔を向けた。

「宏史くんの髪の色が変わったのは…
次の日だったわ…」

話せなくなった俊樹の代わりに

つづきを話しに入って来たようだ…

「いたたまれなかった…」

そう言うと

母親の目からも 涙が溢れた。

「自分で開けたものだから…
耳からは 血が出ていたし…目が…もう…
死んでるの…」

震える手を 口元へ持っていき

溢れる涙を拭うことなく

話し続ける母親…
< 47 / 99 >

この作品をシェア

pagetop