先生と私。


あの女の人の言ったことがほんとだったら。毎日気になって仕方なかった。



あれから幸穂は先生のおみまいに行かなくなった。
和也に誘われても行かなかった。





2ヶ月後。
あの女の人には会いたくないけどやっぱり先生のことが心配。久しぶりに先生のおみまいに行くことにした。


あの日と同じように和也と一緒に先生のおみまいに行く。


病室に着くと女の人の泣き声がする。


嫌な予感がしながらもおそるおそる病室の扉を開ける。


そこには女の人と…お医者さんもいた。


「あの…せ、先生は…。」
「……最後まで見守ってあげてください…。」
「えっ…。どうしてですか?前助かるって…全力を尽くしますって言いましたよね?先生を助けてください…お願いします…お願いします…」
「幸穂やめろ…。」
「………。」
「…全力を尽くしました…しかしもう…」



幸穂が病室を出ようとしたときだった…。


「塚越さん…。」


先生のそばに行くと先生が少しだけ目を開き何かを必死でしゃべっていた。


「先生何て?」
「さ…ち…ほ…」
「何先生?」
「あ…り…が…と…う…し…あ…わ…せ…に…な…れ…よ…」


ピー…
「先生ー…」
「巧ー…」


先生は帰らぬ人となった。


幸穂ありがとう。
幸せになれよ。


これが先生の最後の言葉だった。
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