死神彼女
結愛
「あたしが死神だって、信じてくれましたか?」
あたしの言葉に篠原空はゆっくり瞼を伏せながら頷いた。
あたしが死神だと信じてもらう為に黒い翼を見せた直後(人間界では極限翼を見せる事は禁止されている)彼はしばらく唖然としていたがフッと電池が切れてしまったくるみ割り人形のようにその場に倒れこんだ。
急いで近づけば…
「気絶、してる……」
昔と余り変わらない端正なかっこよく整った顔を少し困ったように歪めながら瞼を閉じている篠原空の姿があった。
驚かしちゃったよね?
そりゃ、驚くよね…。
そうして、可哀想な事しちゃったなぁ…そう思いながら篠原空をリビングのソファーに寝かせておいたのだ。
篠原空はムクッと体を起きあがらせて、言った。
「…で、なんの用?」
冷静な口調にさっきとはうって変わって無表情な顔で。
「へ?」
あまりにも余裕のある態度にすこし拍子抜けしてしまう。
あたしの予想では悲鳴をあげて部屋から出ていくハズだったのに。