死神彼女

俺は謎の女をリビングのソファーに座らせると、俺はココアをいれ、女の目の前に置いた。


「あ…ありがとう、ごさいます」


少し悲しそうな、でも嬉しそうな女の表情を見ながら俺も向かいのソファーに腰を降ろす。


「じゃあ、説明よろしく」

この女が死神だなんて。
いや、死神がいるなんて、信じられないがあんな証拠を見せられたら信じるしかないだろう。


女の目を見ながら言うと女は頷き、口を開いた。

「はい、じゃあ…落ちついて、聞いて下さいね。…あなたは篠原空。大学四年生。23歳、あっていますね?」


「あぁ」


女は持っていた資料を出し、少し眺めると更に続けた。


「……突然で、驚くと思いますがあたしは一週間後、あなたの魂を回収しなければなりません」


一週間…、か。

死神なんだからそれくらいの事は言うと思っていたので意外に長いな…と思いながら話を聞いていた俺を女がチラッと見つめると少し首を傾げて、言葉を紡ぐ。


「…通常、死神が死に逝く者に死亡推定日を教えると言う事はあってはいけない事、です。ですからー」


「じゃあ…何故俺に教えた?」

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