死神彼女
なんで、お前と風呂になんか入らなきゃいけないんだよ…?

呆れて言葉が出ない。


「待ってて下さいねぇ」


結愛は俺の沈黙がOKサインだと思ったのかそんな事を言い出す始末。


「ダメに決まっ…」

ガチャン。

結愛は俺の言葉を聞きもしないで勝手に風呂場に入ってきた。

「えへへ、お背中流しますね」

結愛は黄色のティシャツにスパッツを履いていた。


俺は結愛を冷たく睨みながら呟いた。



「…出てけ」


「はい?」


「だから…出てけ」


「はい?」


結愛はそばにあったスポンジを持ってニコニコしている。

とぼけやがって…。


「なぁ…うざいんですけど」


「うざい…ですか?」


結愛は急にしょぼんとして俯く。


うざい以外の何者でもねぇだろ。



「早く、で」

出てけ!とでかけた言葉が詰まった。


結愛が…



結愛が…………









浴槽に入って来たからだ。


「じゃーいいです!一緒にお風呂入りますから」

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