切なさに似て…
インターホンのボタンに指を運ぶも、押すことができなかった。

ガチャリと躊躇いがちに開いた鍵。ノブを回し、扉を引く。

冷え切った冷たい空気と、闇が私を出迎える。

つけたばかりのストーブから聞こえる作動音。

まだ点火しないストーブの前に座り込む。


…何もする気が起きない。


脱力感。

空虚感。

焦燥感。

孤独感。

喪失感。

無力感。



…ほら。

やっぱり…、嘘つきじゃん。

そんな下手な嘘なら…、最初からいらないよ。


どうせ、嘘なら…。

もっとマシな嘘をつきなよ…。
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