切なさに似て…
「今日は立花さんに会いたくて来たんですよー！！ちっとも出て来ないし、もう帰ったのかと思っちゃいましたよー」

あっけらかんとしている私を無視して、白崎さんは話しを続ける。


「あんな辞め方してすみませんでした。考えたら立花さんに一番迷惑かけちゃったなあって。
あっ、立花さんが悪いわけじゃないですからね！！あの話聞いたからとかじゃなくて、彼氏と同じ職場ってなんか嫌じゃないですか。
何も言わずに辞めたから気になって」

忙しい時期にごめんなさい。と、少し頭を下へ傾け、はっきりとした語尾で言う。


そんな彼女の一面は初めて見たんじゃないだろうか。


「あぁ…、うん…」

その次に続けようとした言葉を選んでいると。


「なんて、ほんとはー、一弥に言われて来たんですよねー。せめて挨拶くらいはしといたほうがいいって。ほんと、そうですよねー」

顔を上げそう言った彼女は、先程より高めのトーンで笑顔を作る。

その様子は普段の白崎さんに戻っていた。
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