切なさに似て…
「麻矢、治…。ありがと…。ごめん…」

「柚ーっ」

突然、麻矢は私に抱き着いてきて、「わたしらは柚の味方だからねっ!」なんて涙声を出す。

若干、芝居がかったような台詞に笑いそうになる。


「なんだよ。お前に畏まられると調子狂うからやめろよ」

と、照れ臭そうに治は私の頭を軽く小突く。

「痛っ…」

私は頭を手で抑え、大袈裟に痛がって見せた。


「わざとらしいな。そんなに痛くないだろうがっ」

そう言うと治は、「道端で立ち止まってないで、ほら歩けっ」と、私と麻矢の背中を押して歩を急がせる。


駅までの道のり、いつまでも色褪せない昔話に盛り上がって、たわいもない会話を繰り広げた。


「いつでも、電話してよ」

麻矢の台詞に、その横でうんうん頷いている治がいて。


私からの連絡を待ち続けてくれた2人は、ずっと、携帯の番号を変えないでいてくれたみたいだ。


そんな治と麻矢が私の番号を知っていたのは、信浩に聞いて知っていたらしく。

いい加減にしないと絶交だから。そう強く言い聞かせられ、もう一度「ごめんなさい」と、謝ったのは言うまでもない。
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