切なさに似て…
立ち尽くす私の目線を追ったのか、治と麻矢が口を開く。


「…ん?あれ、援交じゃないか?」

「あの先、ホテル街だからね。いかにもって感じ。しかも大胆にも制服だよ」

麻矢の言う通り、駅から外れてしまえば人気が減り、そこにはラブホか風俗店ばかりが建ち並ぶ。ここはそんな夜の街。


「…あれ、妹。…何してんの、あの子」

私から出た言葉は細く響く。


「は?あれが…?」

「柚の妹?ヤバイって!」

同時に上がった2人の声に、私はコクンと首を縦に振った。


「ちょっと、早く止めに行こうよっ!」

慌ただしく横断歩道へと走って行く麻矢の後を追う治。それに遅れて、一瞬躊躇った私も走り出す。


実際、援助交際なんかじゃなかったら?

相手が普通に付き合っている人だったら?

ちっとも怪しい関係じゃなかったら…?


一瞬浮かんだ考えを打ち消したのは、どうみてもそんな風に健全なお付き合いには見えなかったから。
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