切なさに似て…
レナは黙々とクローゼットのような押し入れを漁り、ナイトウェアになりそうな物を探し当てる。


「これ…、着る」

「あっそ、好きにして」

服を両手に抱え、呟きにも似た小さな声を出すレナに、どうでもいいように答えた。


制服からラフな服へと着替えが済んだレナを見て、確認も取らず私はすかさず部屋の明かりを消した。

不意にバサッと布団の擦れる音がして、まごついたレナの様子が感じ取れる。


暗闇に紛れた天井をぼんやりと映し出し、空に向かって唇を動かす。


「何で制服なんか着てたわけ？しかも高校の。目立ち過ぎだから。捕まえてくれってアピールしてるようなもんじゃん」

素朴に思ったことを口にし、発見した時のことを思い出した私は含み笑いをした。


「…制服だと、…声、かけられやすいと思ったから」

「何それ、単純」

うろたえるレナが可笑しくて、鼻で笑った私にご立腹したのか。


「お姉ちゃんにはわからないよっ！」

と、何とも不快な一言を張り上げた。
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