散弾銃プレアデス
そう言って、安原は笑う。
「あたしの星……」
すばるの声がぽつりと浮かび、消えた。
空に浮かぶ、すばるぼし。
窓から見える空は青く澄んでいた。すばるはそっと目を伏せる。
「空が、怖いのか?」
躊躇わずに部屋に響いた声は低く、穏やかで、凛としていた。安原がすばるを見つめる。
それから少しして、すばるはゆっくりとうなずいた。
あの時。
安原の腕にしがみつくしか出来なかったあの時。
上下左右、すべてが青くて。
まるで吸い込まれそうなくらい、ただ蒼くて。
どこかに連れて行かれてしまいそうで。
誰かが自分を見上げて手を伸ばすして、引きずり落とされて、自分はどうなってしまうんだろう。
雑踏に包まれたまま身動きが取れ
ずに、鼻腔をつままれて窒息するかのような苦痛に苛まれていく。
自分は誰かを見下ろして叫ぶ。
呼んでも誰も振り向かなくて、自分は、自分は、自分は。
孤独に杭を打たれたまま身動きが取れずに、空気が薄くて窒息するかのような苦痛に苛まれていく。