勝利の女神になりたいのッ!~第1部~


「俺の名前知ってる?」


泣き続ける私に話しかける石野さん。


彼は言葉を返すことのできない私の肩を抱き寄せて話し続ける



「俺の父親は歴史が好きって話しただろ?
佐和は親父がつけたんだ。
小さい頃は女みたいだってからかわれて名前が嫌いだった。
だけど今は嫌いじゃない。
自分の名前の由来の土地、佐和山で紫衣と出逢ったんだ。」



石野さんのお父さんは歴史が好き。

佐和山城の佐和を石野さんにつけたのはやっぱり運命なの?



「親父の奴さ、病院の診断で女の子だって生まれるまで疑ってなかったんだ。
だけど生まれてきたのは俺、立派な男の子だろ?」


クスクスと笑いながら話す石野さん。


私は珍しく饒舌な石野さんの話に夢中になって涙は止まっていた。



「だけど親父は諦めきれないって俺に佐和って名前をつけたんだ。
佐和は男でも大丈夫だってさ。」



そのせいでからかわれ続けるなんて親父の奴考えてもなかったんだろうなと溜息を吐き出す石野さん。


拗ねたような口調が子供っぽくてなんだかおかしかった。


クスクスと笑う私を見て石野さんはとても綺麗に微笑んで言ったんだ。


「やっと笑ってくれた。」


私の頬に手を添えて嬉しそうに微笑む石野さんに私の頬は急に熱を持ったように赤くなったに違いない。














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