勝利の女神になりたいのッ!~第1部~


「ごめんなさい。迷惑かけてしまって...。」



何度目か白湯を飲ませてもらった後私は男に話しかけた。



「お前ちゃんと喋れるんだな。」



そう言ってニッコリと笑う男。



とても優しい笑顔に心があたたかっくなった。




全く知らないところで具合が悪くなった不安が少しずつ解けていくのがわかった。




「俺の名前は左近。島左近。」



自己紹介をしてくれる男に私は耳を疑った。



「島...左近?」



「もしかして‘あの’島左近さん?」



「あのってどの島左近だよ。」



石田三成の家臣の島左近。



その人の名前しか思い浮かばない。



「えっと....確か左近さんは筒井家の家臣をしていて...。」




「どうしてお前のような娘がそのことを知っている?
お前は何者だ。」





急にその男の表情が険しくなり私を鋭い目で睨みつけたんだ。




ゾッとするような冷たい瞳。


まるで瞳で私を殺すことも出来るんじゃないかと思うほど鋭く冷たい刃のような光が放たれていた。













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