勝利の女神になりたいのッ!~第1部~


布団の上から動こうとしない三成に声をかけて膳を彼の側に置いた。



「今日はゆるりと...。」


ポツリと呟きを漏らす三成。


「仕方ありません。」


きっと誰にも逢わずに心を休めたかったに違いない。

いつも気配りをしている彼だから、何も予定のない日くらい一人でゆっくりと過ごしたいよね?



「体調を心配しているのだ。」


「どこかお加減が悪いのですか?」




それならば無理をして欲しくない。

左近さんに掛け合ってでも今日の予定はキャンセルしてもらわなければ...。



「そうではない、そうではないのだ。」


首を振りながら言葉を返してくる三成をジッと見つめた。



彼の視線がとても苦しそうだった。

やっぱりどこか具合が悪いのかもしれない。

無理して欲しくない。

無理しないで!!



「左近さんにお願いしてきます。今日の予定はキャンセルしてくれるように!!」



立ち上がり勢いよく言葉を放つ私の腕を彼は掴んで放してくれない。




「キャンセルとは何のことだ?」


不思議そうな彼の表情。


キャンセル?


キャンセルはキャンセルだよ?








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