勝利の女神になりたいのッ!~第1部~
三成の側にいれば安心。
早く彼の近くに行きたい。
「石田殿とはいつも一緒におられるのだから今宵は少し相手をして下さらんか?」
思いがけない言葉を掛けられて私の足は床に縫いつけられたように動かなくなった。
清正アアアア!
煮えくり返るとはこんな感情を言うのだろう。
チラリと三成に視線を向けると彼の額には深ーい皺が刻まれている。
「それはまた後からでもいいじゃないですか。
それとも私がお相手だと不服なのですか?」
すかさず朱里さんの言葉が掛けられ、清正の手を取って席に引っ張ってくれた。
私はというとみんなからは見えないように紅葉さんにこつかれながら三成の隣の席に足を進めた。
というより、進ませられた。
「お仕置き楽しみだね。」
席に着く前に小さな呟きを残した紅葉さん。
彼は正則の側にむかって足を進める。
紅葉さん、これ以上苛めないで下さい。
私は肩をがっくりと落として、三成の隣に腰をおろした。
私を見ようとしない三成。
怒ってるのかな?
お仕置きかな?
というよりお仕置きって何?
緊張より恐怖が勝っていた。
部屋はみんなの談笑する声が響いていて、だけど私と三成の席はまるでお通夜かお葬式のように静かで辛気臭く感じた。
「三成様?」
勇気を出して声を掛けると見えないように手を繋いでくれた。
三成のぬくもりに触れて、私は一気に気持ちが柔らかくなった。