平安物語=短編集=【完】



弟は微笑を浮かべ、

「いえ、まだまだ未熟で困っているのです。

しかも右大臣家からも、大層素晴らしい姫君が入内予定だとか。

東宮様には親しくお世話させて頂いたこともあるとは言え、やはり私達は外戚ではございませんから、なんとも心もとないことです。」

私は、暗に御子を授からなかったことを責められているように感じました。

「そうかもしれませんね、まさか粗略にはなさいませんでしょうけれど、相手が右大臣家の姫君となれば些か不安もございます。」

弟の姫であっても、素晴らしいと名高い右大臣家の姫にはかなうまいという嫌味を微かに込めました。



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