平安物語=短編集=【完】



…先ほどの喜びはどこへやら、私は腸が煮えくり返っていました。

宴が始まる前も始まってからも、帝は私とは反対側を意識してばかりいるのです。

もちろん露骨にはなさいませんが、チラチラとあちらを見ていらっしゃるのが痛いほど分かりました。

それでいながら、私にも優しく話し掛けなさるのです。

私がつれない返事しかしないのを見かねて、若い女房が殊更に華やかな雰囲気を醸し出していました。



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