平安物語=短編集=【完】



しばらくすると誰かが部屋に入って来た気配がして、大輔が対応しているようでした。

大輔の言葉の内容までは聞き取れませんが、困りきっているようです。

すると、大輔ではないと思われる足音がこちらに近づいて来て、そのまま御帳台の帳を捲ってきました。

私はもう気を失わんばかりになって、掛け物を引き被ったまま背を向けて無視を通したのですが、何とそのまま中へ入って来るのです。


――大輔…!


声にならない叫びを上げて大輔に助けを求めるも虚しく、そのまま肩に手がかけられました。

「いや…っ!!」

私は思い切り振り払い、掛け物を被ったまま御帳台から逃げ出しました。



< 203 / 757 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop