平安物語=短編集=【完】
その夜、冴え渡った頭で横になっていると、隣の局を訪ねる人がありました。
まあ、お忍びで…と微笑ましく思っていると、
「少納言様…!?」
と、隣人の驚いた声が聞こえてきました。
少納言様…?
隣の方を想い初められたのかしら
それとも、隣の方に姫様への取りなしを頼むのかしら
気付けば私の頬を涙が伝っていました。
ああ…私、少納言様が好きなんだわ。
気付くと同時に、失恋だなんて…