平安物語=短編集=【完】
それからは、尚仁の内裏での座所を藤壺に改め、数ヶ月に一度参内する時にはそこに居られるようにした。
太政大臣や大納言は予想以上に尚仁を歓迎してくれ、年が近い私と大納言は自然と親しくなり、太政大臣とも今までより幾分打ち解けた話もするようになる。
尚仁自身、藤壺を本当に慕っていた。
尚仁から聞く話によると、尚仁を前にした藤壺はとても穏やかで優しく、嫌な顔一つせずに尚仁と遊び愛してくれるらしい。
自宅でも優しい祖父母に愛されながら教育され、和仁と会えば仲良く遊び、和仁に負けず劣らず聡い子に育った。