平安物語=短編集=【完】



そして翌日、昼に東宮様がいらっしゃいました。


「姫を私の部屋に連れて参りますね。
途中に弘徽殿があるので、少しご挨拶を致しましょう。」

「ええ、姫が失礼を致しませんようによろしくお願い申し上げます。」


左手は東宮様のお手を握り右手をニコニコと振りながら、楽しそうに歩いて行きます。

私も笑顔で手を振りながら、心は荒んでいました。

姫の心だけは、私のものであって欲しい――



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