平安物語=短編集=【完】
東宮様とは伯父と姪の関係にあたられるその血縁のためか、麗景殿の女御となられた宮様は、あっという間に弘徽殿女御様に並ぶ御寵愛を受けるようになられました。
しかし色々東宮様のお顔色を探ってみますと、まだお心は弘徽殿様におありのようです。
麗景殿様が登場して、必然的に私のお召しは減りました。
あの弘徽殿様ならともかくも、年端の行かない十二歳の少女に――
ただお血筋が高貴なだけで、これと言って奥ゆかしい評判も聞かないような姫君に――
私が麗景殿様に抱いた気持ちは、穏やかならぬ嫉妬の気持ちでした。