平安物語=短編集=【完】



この姫君との事は、きちんとさせたかった。

父帝や姫君の両親のお許しを頂いた上で、正式に結婚しよう。

そう思って、まず二通の手紙を書いた。


一通目は、表向きの姫君宛て。

他の女房達も見るだろうから、これから求婚するような一般的な恋文だ。

二通目は、右近宛て。

『そちらではあなたと姫君しか事情を知らないようなので、改めて正式に結婚しようと思う。
この事を姫君に説明して欲しい。
説明したら、手紙を寄越すように。』



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