平安物語=短編集=【完】
御裳着からまた日を置いた吉日に、いよいよあの方の通い初めとなります。
その日、帝が数人の公卿をお召しになって宴を開かれました。
お似合いのお歳の頃の若君をお持ちの左大臣も参加されたようですが、どんなお気持ちだったのでしょう。
宮様を頂戴したいと思っていた方は多かったようでございます。
並み居る大御所達の中に居ても物怖じせず、それでいて程よく遠慮・謙遜なさる様は、誰の目にも素晴らしく映ったようです。
そして宴がお開きとなった後、帝に遣わされた高貴な女房に導かれて、宮様のお部屋にいらっしゃったのでした。