平安物語=短編集=【完】



「どうあそばしました?」

御結婚から三ヶ月が過ぎた頃、宮様がふさぎ込まれるようになりました。

「式部…」

長い睫毛を伏せて迷われた上、ゆっくりとお言葉を紡がれました。


「あの方は…私を内親王としてしか見ていらっしゃらないわ。
内親王を妻に貰ったの。
私である必要は無かったのよ。」

そのお声は、これまで聞いたどれより重く、暗く、そして大人びていらっしゃいました。



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