平安物語=短編集=【完】
殿は姫君をとても大切に養育なさいましたが、三歳におなりの正月から、可愛がるより厳しく接する方が増えました。
「帝は、皇位腹の一の宮ではなく女御腹の二の宮を東宮にと考えている。
二の宮は姫より二歳年下で、ちょうど良い。
しかし右大臣の所にもうちの姫より一歳上なだけの姫がいると言う。
その姫に負けない優れた女人になるよう、今からしっかと教育致せよ。」
ちょうどその年に妹君がお産まれになりましたが、殿はどちらかと言うと大君の教育の方に気を取られているようでした。
宮様は、厳しくされる大君にも放置される中君にも御心を痛めていらっしゃって、大君には優しく緩く、中君には厳しい乳母をおつけになり、父君の分まで構っておあげになりました。