平安物語=短編集=【完】
ある日、弟の不在に少将様がいらっしゃいました。
珍しい事ではございません。
お話などしていると急に雨が降り出して、女房達が慌ただしく出て行きました。
今だと思い、
「少将様。
この間のお返事なのですが、やはり私は大臣をお慕い申しております。
身分違いなとお笑いになるかもしれませんが…
本当に有り難く存じますが、少将様のお気持ちにお答えする事は出来ません。」
と申し上げました。