平安物語=短編集=【完】
寒い冬の日。
雪に包まれ都中が何となく静かな中で、皇太后様のお父上の左大臣様の御邸では華やかに宴が開かれていました。
それも、帝と院と皇太后様を一度にお迎えしての事です。
宴は、どうしても左大臣御一族の栄華が際立つものとなりました。
主催は、左大臣様と、左大臣様の義理の弟君の左大将様。
皇太后様と親交の深い左大将様の北の方も、特別においでになりました。
この北の方は女房の出であるものの、上は十二、下は九歳になる四人のお子がおいでで、押しも押されぬ立派な御正妻となっていらっしゃいます。