平安物語=短編集=【完】



翌日、院と皇太后様は牛車に相乗りしてお帰りになりました。

一台にすれば人々の手を煩わせるのも減るだとうとのお考えです。


「女性ばかりのお話は楽しかったですか。」

本当に愛おしそうに皇太后様を見つめて院がお尋ねになりますと、皇太后様もにっこりと微笑まれました。

「はい、とても。
殿方達も、随分と騒いでいらっしゃいましたこと。
お酒が過ぎませんでした?」

「はは、あんなに楽しいのは久しぶりでしたよ。
女房達もうるさがってどんどんいなくなってしまいました。」

「まあ、可哀相に。
子供達の部屋が遠くて良うございました。」

クスクスと笑い合うお二人の睦まじさ。

この国の平和を象徴するかのような、穏やかな御様子でございました。





― 皇太后の宮 ―
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