平安物語=短編集=【完】



そして気づいてしまったのです。

東宮様は誰も愛してはいない。

たくさんお仕えする妃達に満遍なく愛情を分け与えなさるのは、単に義務感から。

とりわけ私を大切に扱ってくださるのは、私が政界随一の太政大臣の娘だから。


東宮様は、寂しいお方…



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