心の声
黒の折りたたみ携帯から漏れるメロディーは、流行りの曲で好きだけど、


今は、とても不愉快になるぐらいの賑やかさ。


折りたたみ携帯をゆっくり開けると、暗い部屋に少し広がり、


私の瞳に眩しい刺激を与えた。


片目を瞑りながら、私は黙らない携帯の画面に目を向けた。


画面に浮かぶ『サクラ』の文字と携帯番号。


賑やかなメロディーを鳴らす犯人が、同級生のサクラだと分かると、


なぜか深い溜め息が零れた。


こんな時間に……


ぶつぶつと愚痴を吐きながら、私は静かに受話ボタンを押して、携帯を耳にあてた。
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