人形と歯車
ゴールテープを切ったのは佐藤だった。



一番と二番で半週、須藤でさらに20mくらいの差がついていたので当然だった。



一位、と書かれた旗が風に揺れる。



高鳴る胸の鼓動を歓声が押し退けた。



なだれこんでくる声は旗をふると更に増した。



須藤に渡すと走ってクラスの前まで行き、旗をふった。



座り込むと一気に疲労がきた。



アナウンスがリレーの順位を告げる。



佐藤のクラスの優勝が決まった。



それを聞いてまた歓声とも悲鳴とも取れる声が広がっていく。



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