花火
「あれっ、それより指に怪我でもした?」
左手の細い人差し指に、いつの間にか絆創膏が巻かれていた。
「さっき包丁で切っちゃって」
小さく舌を出して、おどけて笑った。
「ドジだな。気をつけなよ」
ありがとう、そう言って一つ頷いた。もうすぐ出来るから部屋で待ってて、そう言われ、遠慮なくそうさせてもらった。
「おまたせ。残り物だけど、味は確かだよ」
そう言って差し出された炒飯には、色々な具材が入っており、見るからに美味そうだった。実際に食べてみると、見た目以上にいい味をしていた。そう伝えると、春香は誇らしげに胸を張って見せた。
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