花火
「ヨシダハルカ?家は確かに吉田だけど、ハルカなんて人はいないよ」
脱力と失望、そしてやはり、という安堵を感じた。
「こちらのお宅ではないんですか?彼女を追って、東京から探しに来たんです」
それでも追いすがる様に聞き直した。
「悪いけど、家にはハルカっていう子はいないよ。吉田違いだね」
警戒心は取れた様だが、嘘をついている様でもなかった。本当にいないのだろう。
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