花火
一度病院に行って、検査をしてもらった方がいいかもしれない。徐々に冷静差を取り戻しながら思った。以外と軽い病気で、注射一本で治ったり、数日入院しただけで完治するかもしれない。でもそんな希望は一瞬にして消えていった。そんなことはないと、自分の体だからこそ分かった。何分も何時間も経過した様に思ったが、時間はまだ七時前だった。あれから一時間もたっていなかった。それなのにもう、何日も悩み続けてきたかの様に、疲れ果てていた。たっくんに連絡をしなきゃ。でもなんて?血を吐いたの、そこ知れぬ恐怖に怯えているの。化粧が濃くなったのも、痩せてしまったのも、私の中で得体の知れない何かが、私の体を勝手に侵食して、支配しようとしているからなの。恐くて仕方ないの。今すぐ助けにきて…。
でもそれらを口にすることは出来なかった。今も、そしてこれからも。それを口にした瞬間、全てが消えてしまうと思った。夜空に浮かびは消えて行く、大輪の花火の様に。
でもそれらを口にすることは出来なかった。今も、そしてこれからも。それを口にした瞬間、全てが消えてしまうと思った。夜空に浮かびは消えて行く、大輪の花火の様に。